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倶楽部報(2019年春号)

TEAMMATES事業のご報告

マネージャー 赤松 尚範(文学部3年 小山台高)

2019年04月12日

平素より三田倶楽部の皆様におかれましては、弊部の活動に対しご支援ご協力を賜り誠にありがとうございます。マネージャーを務めております、赤松尚範と申します。

弊部は昨年8月より、NPO法人「Being ALIVE Japan」と提携をし、長期療養を必要とする子どもを一定期間チームに受け入れる活動に取り組んでおります。既に国内ではプロバスケットボールのBリーグや、アメリカンフットボールチームで同じ活動が実施されており、弊部は国内で3チーム目、学生スポーツにおいては初めての実施チームとなりました。

今回チームに入部してくれたのは、横浜市内の中学1年生(当時)の岩田遼くんです。
8月1日に入団式が行われ、全部員、岡部長、大久保監督が出席の下、岩田くんが希望した37番のユニフォームが授与されました。その後は12月1日の修了式まで、計4回の練習参加をし、打撃やピッチングの練習を行ったり、部員と食堂で昼食を食べたりと部員との交流を深めながら、野球の技術も上達させていくことができました。また、子ども自身の練習だけでなく、グラウンド整備や選手用のドリンク作りなど、チームのサポート活動も体験してもらうことでより野球部ことを深く知ってもらうことができました。

この活動を多くの方々に知っていただくきっかけとなった出来事は、10月28日の秋季リーグ早慶1回戦でした。試合前に始球式の場を設けていただくことができ、2万人にも及ぶ大観衆の中、始球式に登板することができました。多くの反響があり、遼くんにとって大きな自信になったと共に、「早慶戦の舞台に立った」という今後の人生において色褪せることのない、かけがえのない思い出となりました。

活動を通じて、交流をするなかで成長できるのは子ども以上に僕たち学生の方であると感じております。学校とグラウンドの往復で、ともすれば視野が狭くなりがちな学生達にとって、社会貢献活動に取り組むことで社会課題に目を向けることに繋がり、年の離れた子どもとコミュニケーションをとる中で様々な気づきを得ることができました。また、純粋に野球を楽しむ遼くんの姿を見て、学生達は野球を始めたころの自分の原点を思い出し、初心に帰ることができたのではないかと思います。

この2月からは、川崎市の春から小学6年生の田村勇志(ゆうじ)くんが入部してくれています。勇志くんは2月から12月の10カ月間の活動を予定しており、今年も秋の早慶戦で始球式に登板することを目標に、平均して週に1回程のペースで練習に参加しています。今後も、子どもと学生両方にとって良い活動にできるよう、工夫してまいりたいと思います。

昨今は野球人口減少の加速が叫ばれております。これまで日本の野球界を牽引してきた弊部の歴史から見ても、こうした活動に取り組むことは自然なことではないかと思います。これからも本活動や各地で行われる野球教室等で野球振興の一端を担うべく、野球の素晴らしさを多くの方々に届けることに取り組んでいきたいと考えております。 最後になりますが、今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます。

昨秋早慶1回戦での始球式に登板した岩田遼くん
昨秋早慶1回戦での始球式に登板した岩田遼くん

大久保監督からユニフォームを手渡される田村勇志くん
大久保監督からユニフォームを手渡される田村勇志くん

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