倶楽部報

ホーム > 倶楽部報 > 2026年春季リーグ戦優勝特別号(堀井哲也監督インタビュー)

倶楽部報(2026年春季リーグ戦優勝特別号)

堀井哲也監督インタビュー

監督 堀井 哲也(昭和59年卒 韮山高)

2026年06月05日

監督 堀井 哲也

東京六大学野球連盟結成から101周年目を迎えた新たな舞台で、5季ぶり41度目のリーグ制覇を勝ち点5の「完全優勝」で飾った指揮官。自身7季目で4度目の優勝。3季連続5位からの復活劇は、いかにして果たされていったのか。

――リーグ優勝のかかった32年ぶりの「天覧試合」となる早慶2回戦は9回、1点リードでエース・渡辺和を投入しました。
あの場面は、好調の鈴木佳に3イニング目をいかせるか、これまでチームを牽引してきた渡辺和に託すか、勢いのある熊ノ郷でいくか。3択だったんですけど、まあ、渡辺和をチョイスした、ということです。
(負ければ明大が優勝という)早慶3回戦は、渡辺和の投球ぶりを1イニング、1イニング確認する中で、さすがに疲れが出てきていて、球も落ちてきていたので、最後(9回)は鈴木佳に代えるという決断をしました。
投手起用については、ふだん練習をみていただいている上田誠コーチから助言を受けています。試合中はブルペンに行ってもらって、投手陣の球自体の様子もそうですし、メンタル的な要素もそうですが、とても細かく情報や意見をいただけるので、それを最終的に私が判断しています。
「天覧試合」のことで言えば、球場の雰囲気がおごそかというか、そんな感じが確かにありました。これは普段から心がけていることですが、やはり学生野球の本分である正々堂々とか、フェアプレーの精神とか、チームプレーとか、外連味のなさとか、そういうものを出そうと意識はしていました。
この試合の一週間前に、そういうことを改めてチームで話し合いました。そういう気づきにもなったわけですが、やはり独特の雰囲気は、今思うとでていましたね。

――今季の戦いぶりを少し振り返ってもらえますか。集中打が出て、大量点を奪うケースが多い印象を受けました。
積極性のある今津がキャプテンになった。それが今年のチームにうまくはまったという感じです。今津は、(2021年春、秋優勝した時の主将)福井章吾(トヨタ自動車)と似たタイプです。豊田に遠征した時に、福井君を呼んで、1時間ぐらい話をしてもらいました。それが大きなきっかけとなって、チームをどうやってまとめていくかということを学んだのではないでしょうか。
優勝する時というのは、打線がつながって、大量点を取るものなんです。
前回優勝した2023年の秋が、そうでした。明治との1回戦。初回に相手エースから6安打を浴びせて5点を奪いました。打線がつながると、やはり相手の戦意を打ち砕くというか、エース級をたたくということは、非常に大事なことなのだと思います。
チーム全体として万全の投手力を持っていればいいんですけど、多少、不安がある中で、渡辺和ひとりに頼っていてもいけません。毎試合、毎試合、接戦を制することはできませんので、そういう中でビッグイニングというのは、チームにとって心強い限りです。
集中打が出る理由ですか。それは、個々の選手の集中力でしょう。1点取ったら、もう1点。守備もそうですけど、アウトを取ったら次のアウト。点を取られても次のアウト。そういうところの集中力が、今のチームにはでてきました。

 

――チーム打率はリーグトップ。今季、初めて導入された指名打者制(DH制)もうまくはまりました。
俊足の丸田はトップバッターがふさわしい打者ですが、春先の調子を見たら、確実性があり、勝負強い林純のほうがよかったので、彼を先頭打者でスタートしました。
ですが、途中から丸田の調子が上がってきて、第2週の明大3回戦から1番にしました。
それで、小原、今津、中塚、一宮、林純、あるいは吉野と続く攻撃の軸が固まってきたと思います。
DHは小原に任せました。3月からチームを作っていく中で、小原が一番いいかなと思いました。でも、守備の可能性もきちんと見据えてのことです。コンスタントに活躍し、3割以上の打率を残してくれました。

――チーム防御率も、最優秀防御率を記録した渡辺和を中心に、リーグ最少の2.28でした。
渡辺和の一番伸びた点は、制球力がよりついたことでしょうか。もともとスライダーは威力があり、ツーシームなどの落ちる系のボールが増えたこともあると思います。あとは、それぞれの球の精度があがったということでしょうか。もちろん、スタミナもついた。この三つですかね。
鈴木佳と熊ノ郷も成長してきました。鈴木佳は、やはり球威が出てきました。春先よりスピードが10キロぐらい上がっている。もともと球威のある熊ノ郷は、制球力がついて、変化球を覚えたことが大きいと思います。
忘れてはいけないことは、この投手陣をうまくリードしている捕手の吉開の存在です。彼は研究熱心で、ビデオを見まくって、それはすごいですよ。投手陣からの信頼度はとても高いです。

――さあ、いよいよ全日本大学選手権が始まります。
(リーグ優勝した瞬間は)ただただほっとして、安堵感がありました。一晩休んで、すぐに次の全日本大学選手権をどう戦うかに頭は切り替わっています。先発は2人(渡辺和、広池)ですね。中2日で行きます。先発に3人いれば、こしたことはないんですけど、これから一週間でそこまでいくかはどうでしょうか。期待はしています。
混戦の中、東京六大学リーグで優勝させていただきました。東京六大学の代表としての責任も当然でてきます。そういう気持ちをしっかり持って、そして、しっかり準備して、精一杯やりたいと思います。

(聞き手:庄司信明 昭和59年卒 九段高)

^