倶楽部報
倶楽部報(2025年秋号)
攻守の力を合わせ 秋季制覇へ
蔭山 実(昭和61年卒 四條畷高)
2025年09月12日
2025年春季リーグ戦は、リーグ戦終盤に入るまで上位5校による混戦となり、ほんのわずかのところで勝ち点を奪えず、昨秋と同じ5位に甘んじた。主将の外丸東眞(4年、前橋育英高)率いる投手陣は、チーム防御率4.12(昨秋2.69)と苦しい戦いとなったが、攻撃陣は、副将の今泉将(4年、慶應高)、常松広太郎(4年、慶應湘南藤沢高)を中心に3年生と2年生が活躍し、チーム打率は2割6分1厘(昨秋2割7厘)に向上した。秋季は投打のバランスを取り戻し、賜盃の奪還が期待される。
春季の開幕戦、対立大戦は一回戦から延長となったが、投打ともに粘りを見せ、2−1で勝利。1、2番の、今津慶介(3年、旭川東高)と小原大和(3年、花巻東高)がともに2安打を放ち、4番の中塚遥翔(2年、智辯和歌山高)の犠飛で同点に追いつくと、延長で8番、林純司(2年、報徳学園高)の安打が勝ち越しにつながった。二回戦は敗れたが、終盤に今津のリーグ戦初本塁打などで5点差を1点差にまで追い上げ、投手陣では、水野敬太(2年、札幌南高)が初登板で1イニング3者凡退の好投を見せた。勝ち点をかけた三回戦は、初先発で5番に起用された今泉が期待に応えてリーグ戦初本塁打となる3点本塁打を放ち、その後も得点を重ねて9−2で快勝。小原と渡辺憩(2年、慶應高)もそれぞれ3安打の活躍で、外丸が走者を背負いながらも要所を締める制球力で一回戦に続く勝利を挙げた。
次の対明大戦は一回戦で、九回二死から2点を奪われて逆転サヨナラ負けを喫したが、先発の外丸の好投、後半は継投で1点のリードを守った。二回戦も互角の戦いとなり、5−5の同点で延長に。十一回表に2点を奪われたが、その裏に中塚の二塁打で追いつき、引き分ける。三回戦に敗れて勝ち点は挙げられなかったものの、連勝できる戦いぶりだった。続く、対東大戦は一回戦で、今津の本塁打、中塚のリーグ戦初本塁打で挙げた3点を、先発の渡辺和大(3年、高松商高)が奪三振14の力投で完封。二回戦は終盤まで1−1の接戦となったが、七回に渡辺憩の本塁打で勝ち越すと、6安打を集中して4点を追加し、先発の外丸と継いだ広池浩成(3年、慶應高)が終盤を無失点に抑え、2つ目の勝ち点を挙げた。
リーグ戦の行方を左右する戦いとなった対法大戦は、一回戦で4点を追う後半に、渡辺憩の2点本塁打と常松の適時打、福井直睦(2年、慶應高)のリーグ戦初本塁打となる代打本塁打で追いつく粘りを見せたものの、勝ち越せず、引き分け。二回戦は中塚の先制打と今津の本塁打で2点をリードし、その後、逆転を許したものの、終盤の八回に今泉が逆転3点本塁打を放ち、さらに九回にも追加点を挙げて先勝した。しかし、三回戦は5-5の同点で最終回に勝ち越しを許して惜敗。四回戦は、中盤に9点を奪われ、終盤に3点差まで追い上げたものの、及ばなかった。だが、法大にも連勝できる力を示した。最終の慶早戦は、中塚が早大主戦の伊藤樹から本塁打を放つなど非凡なところを見せたが、連敗で順位を上げることはできなかった。
春季リーグ戦は第6週終了時点で、6校とも4校との対戦を終え、勝ち点3の明大と早大を、勝ち点2の立大、法大、慶大が追い、終盤に入っても紙一重の勝敗で順位はどう変わるか分からない展開となった。その中で、小原が打率3割6分2厘(リーグ6位)、今津が打率3割5分8厘(リーグ7位)、本塁打3を記録。林も打率3割1分1厘と向上した。常松、今泉の4年生とともに中軸を担う中塚の活躍も頼もしい。投手陣は、外丸、渡辺和を支える中継ぎ陣で水野の好投が光った。秋季も厳しい戦いを勝ち切ることが必要になる。秋季は4年生が結果を出し、それをフレッシュリーグ4連覇を率いた3年生以下の活躍で支えたい。
1番打者に定着し、打線を牽引した今津慶介外野手
要所で好投した水野敬太投手