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倶楽部報(2025年春号)

新エース台頭、春季雪辱に期待

蔭山  実(昭和61年卒 四條畷高校)

2025年04月11日

春季リーグ戦3位の雪辱を期して臨んだ秋季リーグ戦は、2013年春季以来の5位に甘んじた。この12年間のシーズン順位でBクラスは4位が一度あっただけだから、常に上位で優勝を争ってきたことになる。近年、実力の接近しているリーグ戦を思うと、秋季リーグ戦も勝敗は常に紙一重であった。その中で、優勝がかかっていた早大を相手に完璧な試合運びで連勝したことは大きい。とくに渡辺和大(商3、高松商)がリーグ戦途中から主戦を担うまでに成長し、9試合に登板して完投勝利2を含む3勝2敗、投手成績リーグ1位(防御率1.17)で投手部門のタイトルを初めて獲得。打線では、吉野太陽(法3、慶應高)や渡辺憩(商2、慶應高)らの好打が光り、新チームでも期待がかかる。

実力拮抗のリーグ戦、秋季は開幕の対立大戦一回戦から延長戦に突入し、わずかのところでサヨナラ負けを喫した。二回戦は先発の広池浩成(経3、慶應高)の好投と、3番に起用された吉野の本塁打などで快勝。しかし、三回戦は渡辺和が先発で好投したものの、1点が奪えず、0−1で敗戦、勝ち点を逃す。続く、対明大一回戦は、9回裏に清原正吾(令和7年卒、慶應高)の本塁打で追いついたが、引き分け。二回戦は完敗で迎えた三回戦、再び渡辺和が好投するも、延長戦に入り、2番手の外丸東眞(環4、前橋育英高)が難しい球を左翼席に運ばれて再び1点差で惜敗し、勝ち点を許すことになった。

流れが変わり始めたのは対東大戦からで、一回戦の先発を渡辺和が担うようになる。いきなり本塁打で3点を先制されたが、その後はしっかりと抑え、吉野の反撃の本塁打、さらには渡辺和が自ら2安打を放って逆転勝利へと導く。二回戦は相手投手の前に打線が沈黙し、敗れたが、三回戦は清原の先制本塁打、渡辺憩の適時打などで挙げた3点を、先発の渡辺和が守り切り、勝ち点を挙げた。続く対法大戦も一回戦で渡辺和が7イニング無失点と好投。しかし、八回に追いつかれ、継投となった九回、連続本塁打を許して惜敗。二回戦は4−4で延長に入り、あと一歩のところでサヨナラ負けを喫した。

なかなか勝利にはつなげられない展開にあって、慶早戦は一回戦で渡辺和の安定した投球に打線も奮起。水鳥遥貴(令和7年卒、慶應高)のリーグ戦初本塁打も飛び出して9点を挙げると、渡辺は早大打線を被安打4、失点1に抑える圧巻の完投で先勝する。二回戦は、秋季リーグ戦初先発の竹内丈(環3、桐蔭学園高)が初回に1点を先制されたものの、その後を抑え、中盤に本間颯太朗(令和7年卒、慶應高)の適時打で追いつくと、終盤に林純司(環2、報徳学園)の犠飛で勝ち越した。1点リードで迎えた最終回は渡辺和が連投で登板、早大の攻撃を抑えて連勝した。春秋連覇の早大に勝る、この戦いぶりは、必ずや新チームにつながっていくものと確信している。


慶早戦で力投する渡辺和大投手
慶早戦で力投する渡辺和大投手

慶早戦に勝利して喜ぶ渡辺和大投手
慶早戦に勝利して喜ぶ渡辺和大投手

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