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倶楽部報(2022年春号)

いんたーNET「社会人野球を終えて思うこと」

沓掛 祥和(平成29年卒 慶應高 ギグセールス株式会社事業責任者兼採用統括・株式会社GIANT KILLING代表取締役)

2022年04月08日

私は平成29年に塾を卒業致しました。その後トヨタ自動車に入社し4年で引退、そのまま退社しました。現在はギグセールス株式会社という上場間近の企業に勤めております。自身で起業した会社では、主に野球事業をメインとし、オンラインサロンを初め、オンライン指導、某社会人野球チームの打撃コーチとしても参画しています。企業に勤めながら、自身の会社の経営を両立する事は大変ですが、目標である「社会人野球出身のロールモデルになること」に向けて、日々精進しております。

トヨタ自動車時代では、塾野球部出身で初トヨタの4番を務めさせて頂き、2019年には塾野球部OBの石井章夫監督の元、そして私の2つ上の佐藤旭さん(平成27年卒 主将)と社会人野球日本代表に選出され、共に日の丸を背負いアジア選手権大会に出場しました。

社会人野球時代にも、塾野球部の先輩には色々な方にお世話になりました。悩んだ時にはご飯に連れていってくれて悩みを聞いてくれる。困っている後輩がいたら自然に手を差し伸べてくれる塾野球部の方々には本当に感謝していますし、自分も諸先輩方のような素晴らしい人間力を持った人物になりたいと思っています。

私がトヨタ時代に感じたこと、ギグセールス(現勤務先)で常々思うことがあります。それは、塾野球部の方々は
「有り得ない程、器が大きい」
ということです。塾野球部出身の私は高校時代上田監督、大学時代は、江藤監督、竹内監督、高多監督、大久保監督と計5名の監督の元で野球を教わって来ました。勿論、全監督さんが選手の意見に耳を傾けてくれ、且つ、選手が考えて行動した事、意見したことに対して、決して頭ごなしに怒る事は無く、むしろ背中を押してくれるほどの方々でした。正直、塾野球部出身からするとこの環境は当たり前でした。今思えば、この状況は世間から見ると当たり前ではなかったことが理解できます。

よく大久保監督が仰っていた「慶應の常識は世間では通用しない」−−−−学生時代に聞いていたこの言葉の意味を私は社会人になって改めて感じました。トヨタ時代も今の職場でもよく言われるのが「慶應の人って変わっている人が多いよね」−−−−塾出身であれば必ず言われたことがあると思います。私が思う塾野球部の強さとは、各々の個性を大切にしていること、だと感じます。多種多様の個性を認め、トップが新しいことに対して常にチャレンジしている、これこそが私が塾野球部から学んだ事でもあり、この文化が今でもブレずにいるのは大変嬉しい事でもあります。そして、野球界だけに留まらず、色々な業界で活躍している方々はやはり塾野球部出身です。

私も塾野球部出身の一員として
「有り得ない程、器の大きい」人間になれるよう常にチャレンジし、日々精進していきたいと思います。

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