バックナンバー

ホーム > バックナンバー > 倶楽部報2016年春号 > 2016年春号(前田監督を偲んで)

倶楽部報(2016年春号)

前田監督を偲んで

相場 勤(昭和63年卒 桐生高)

2016年04月08日

相場  勤

恩師前田監督。我々は親しみを込めて「じーさん」と呼んでいました。

「野球はスポーツであって武道ではない」。旧態依然とした野球界の常識をもっとも嫌い、常に合理的な理論を求めた野球観は、小泉信三先生の「スポーツの三つの宝」に通じるものがあり、今の慶応野球の真髄をなすものとして、我々教え子の中に脈々と受け継がれていると思います。

忘れえぬ数々の名言もまた、監督への敬愛として心に残っています。「お前の頭はヘルメットを乗せる台か!」「うどんの垂れたようなバッティングをするな!」。横で聞いていて思わず笑ってしまいましたが、監督は顔を真っ赤にして真剣そのもの。「ベンチを見るな!」「虚礼をするな!」は、そのまま教え子たちにも伝えました。

昨年、30年ぶりにご自宅を訪問した際「一緒に発明をやろうよ」と、意欲あふれるお姿を拝見していただけに、突然の訃報は信じられませんでした。まだまだ前田監督のお話をお聞きし、慶応野球部を叱咤激励して頂きたかったです。ご冥福をお祈り申し上げます。

^