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倶楽部報(2024年春号)

「日本一」を支える練習

北倉 克憲(昭和59年卒 慶應高)

2024年04月12日

昭和59年卒の北倉です。定年退職して自由時間を満喫しようと思っていたところ、同期の堀井監督から、「少しだけ手伝ってくれないか」とお話がありました。ところが、それが「少しだけ」ではなくなり、リーグ戦のメンバーを目指すBチームの担当コーチとなって今年で4年目を迎えます。

ご存じの通り、塾野球部は200名近い部員を擁し.リーグ戦メンバーのAチームと、リーグ戦メンバーを目指すBチームで合わせて年間100試合近いオープ戦を行うという、堀井監督の実戦重視の方針と、それを実現にするための十分な練習時間を確保するには、猫の手も借りたいという事情があったのだと思います。今回はこの場をお借りして、その練習について報告させていただきます。

春休みと夏休みは部員全員がそろい、キャンプもあって、全体練習をする環境は整いますが、授業が始まると様相は一変します。一般教養も含めて授業優先が前提条件。その上で、部員が必ず練習に出られる時間を確保する。1、2年生の強化を図る。部員が多く集まる時間は早朝から12時過ぎと15時以降。これらを考慮して練習効果を上げるため、①一日授業がある部員は朝5時半から②Aチームは8時から12時過ぎ③Bチームは14時から19時すぎ-の3部に分けています。この3部練習は、早朝から20時過ぎまで使用できる照明設備のおかげで実現しました。

長時間にわたる3部練習の指導者の分担は、早朝から12時過ぎを監督と助監督、14時以降はコーチが担当しています。ただ、監督と助監督はたいてい16時近くまで指導しています。一方で、部員は。自分の練習時間外やBチームの練習時間後の空き時間を使い、各自、練習に励んでいます。

日吉グラウンドには、堀井監督に会いに、プロ野球球団のスカウトや社会人野球の指導者ら、多くの関係者が訪れます。彼らは決まって、「慶應はよく練習しますね」と言います。それに対して、堀井監督は「練習しないと勝てません」と応じます。「練習ハ不可能ヲ可能ニス」、慶應義塾の精神を感じさせる瞬間です。こうした監督と助監督の熱意、指導力、合理的な練習、そして選手の努力が、昨年の秋季リーグ戦の優勝、明治神宮大会の優勝につながったのだと思います。

4月には日吉グラウンドの一塁側にある雨天練習場もリニューアルされました。早稲田を倒して、秋春連覇、日本一をさらに目指して、練習はさらに熱を帯びたものになると思います。昨年、照明設備に加えて電光掲示板も設置していただきました。装いも新たになった日吉グラウンドを見物がてら、後輩たちにエールを送りに来ていただけたらと思います。



日吉のオープン戦での試合前ノック


日吉グラウンドの左中間に設置された電光掲示板

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