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倶楽部報（2018年度春優勝特別号）

祝・2季連続36回目のリーグ戦制覇！

庄司　信明（昭和59年卒　九段高）

その瞬間を合宿所で静かに待っていた。ネット中継を見入る部員たち。優勝の可能性を残していた明治が法政にサヨナラ負けを喫すると、「ヨッシャー！」と皆が雄叫びを挙げ、誰彼かまわず抱き合い、喜びを分かち合った。

2季連続36回目のリーグ優勝。連覇は大久保監督が主将だった1991年の春秋以来27年ぶりで、チームが変わる秋春での「代替わり」連覇は、3連覇を果たした1972年以来46年ぶりの快挙だ。これで塾野球部の連覇は、6校によるリーグ戦が始まった1925年以来7度目のこととなる。

今季は第5週が終了した時点で、優勝争いは慶應と明治に絞られていた。第6週の直接対決となった慶明戦が事実上の天王山。１回戦、試合を決めたのは郡司の一振りだった。2点を追う慶應は9回、暴投と併殺の間に２点を挙げ、土壇場で追い付く。そして10回。無死一塁から開幕から4番に座る郡司の放った打球は、左中間を深々と破る。一塁走者の柳町が快足を飛ばして一気にホームを駆け抜けた。このサヨナラで連覇へ王手をかけた。

2回戦は、明治の伊勢に3安打完封を許してしまう。柳町の中越えのホームラン性の当たりが好捕されるなど、明治の再三に渡る好守備に流れを最後まで引き寄せることができなかった。大一番となった3回戦。大久保監督は故障で出遅れていた左腕の佐藤に今季初先発を託すが、早くも4回に連打を浴びて3点を奪われる。しかし、ここから今季の強い慶應を象徴する戦いぶりが始まる。つまり先行されても決してベンチは慌てることなく、どっしりと構えているのである。法政戦は1回戦が3回に3点、2回戦は1回に2点を先行されながら、ともに逆転で勝ち点をもぎ取った。立教1回戦では敗れはしたものの、3点をリードされながら9回に代打・正木、中村の連続適時打で2点を返し、土壇場での粘りを見せていた。継投で絶対に投手陣（今季は計10人が登板）が踏ん張ってくれる。だから明治に3点を先行されても、誰もが「終盤に勝負だ」と思っていたに違いない。

口火を切ったのは主将の河合。5回、一死三塁から右前安打を放ち1点を返す。さらに柳町、郡司の連打で計2点を挙げた。そして4－4で迎えた9回である。先頭の内田が中越えの二塁打。嶋田が歩き、瀬戸西が送って1死二、三塁。代打・中村は空振り三振に倒れたものの、ここで打席には途中から守備固めに入っていたルーキーの渡部遼。1ボール後の2球目だった。外角高めにきた144キロのストレート。コンパクトに芯でとらえた打球は遊撃手右をゴロで抜けていった。1回戦に続くサヨナラ勝ち。これで明治は、もはや1敗もできない状況へと追い込まれたのだった。

早稲田には惜しくも勝ち点を落とし、完全優勝はならなかった。捕手として4番としてチームをけん引してきた郡司は「早稲田さんから、おまえらもっとしっかりやれよと言われている気がする」と優勝会見で話した。この悔しさを胸に、塾野球部は6月11日から始まる全日本大学選手権で31年ぶり4度目の「日本一」に挑む。

胴上げされる河合主将

天皇杯を授与される河合主将

2018年春季リーグ戦　戦績

試合日	対戦相手	勝敗	スコア	責任投手	打数	安打
4/14（土）	東大①	○	15-0	高橋亮	38	14
4/15（日）	東大②	○	5-1	津留﨑	34	9
4/28（土）	法大①	○	6-3	高橋佑	35	9
4/29（日）	法大②	○	5-4	菊地	34	13
5/5（土）	立大①	●	2-3	関根	33	6
5/6（日）	立大②	○	4-1	菊地	30	9
5/7（月）	立大③	○	7-1	高橋佑	41	15
5/19（土）	明大①	○	4-3	石井	36	10
5/20（日）	明大②	●	0-2	菊地	29	3
5/21（月）	明大③	○	5-4	石井	36	15
6/2（土）	早大①	○	3-1	高橋亮	25	4
6/3（日）	早大②	●	0-9	菊地	36	10
6/4（月）	早大③	●	0-1	石井	39	7
13試合　9勝　4敗　分　勝点　4　勝率 .692 チーム防御率2.08　チーム打率.278
ベストナイン　捕手：郡司裕也、外野手：河合大樹

東京六大学野球　2018年春季リーグ戦勝敗表

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