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倶楽部報(2021年春季リーグ戦優勝特別号)

3季ぶり38回目の優勝

蔭山  実(昭和61年卒 四條畷高)

2021年06月08日

天皇杯がしっかりと福井章吾主将(4年、大阪桐蔭)に手渡された。慶早2回戦の終了後に行われた表彰式。コロナ禍で閉会式も簡素化され、チームとしては慶早両校の参加にとどまったが、スタンドには応援団とともに観衆も多く残り、「リーグ優勝」の目標を達成した喜びを分かち合った。

優勝を争った立大と明大が前週の直接対決でともに1敗を喫し、この時点で両校ともに勝ち点で慶大を上回る可能性がなくなったため、慶早戦を待たずに3季ぶり38度目の優勝が決まった。朗報が届いたのは日吉でオープン戦後のミーティングをしているときだったが、慶早戦で優勝へのあと1勝を目指していた状況で、チームは「早稲田に勝つ」というもう一つの目標に向かった。

必勝で臨んだ慶早1回戦。慶大はスクイズで1点を許したが、4回、先頭の4番、正木智也(4年、慶応)の本塁打で追いつく。続く下山悠介(3年、慶応)が右前打で出塁し、二死二塁で好調の8番、朝日晴人(3年、彦根東)の適時打で1点を勝ち越すと、先発・森田晃介(4年、慶応)の安打をはさんで廣瀬隆太(2年、慶応)が適時内野安打と続き、さらに1点を追加した。その後、犠飛で1点を返されたが、生井惇己(3年、慶応)、橋本達弥(3年、長田)の継投で追撃を許さず、3−1で快勝。8連勝とし、堂々の優勝となった。

試合後の勝利監督インタビューで堀井哲也監督は、「今年のチームは一人一人繋いでいこうというのが選手間で決めたテーマ。それが実現している」と今季の戦いぶりを振り返り、優勝の原動力として「投手中心の守り」と「繋ぐ打線」を挙げた。そのために練習から「1球に対する集中力と心身ともにスタミナをつくること。変化球のいいピッチャーが多いのでどれだけ粘れるかがカギ」と語った。その鍛錬の成果が優勝に結びついた。

今年の春季リーグ戦もコロナ禍の影響で、昨秋と同様、「各校10試合勝ち点制」(ポイント制=勝利ポイント1、引き分け同0.5、敗戦同なし)で行われた。観客収容は上限1万人として予定通り4月10日に開幕したが、「まん延防止等重点措置」により第2週から上限5千人に削減。その後、「緊急事態宣言」の発出で第4週の日曜日(二回戦)から無観客となり、宣言延長の際の規制緩和で第6週以降に上限5千人に戻される異例の事態となった。

その中での優勝争いだったが、開幕は厳しかった。初戦の法大1回戦を、史上62年ぶり、3度目となる「ノーヒット・ワンラン」で落とす。ただ、8回に代打・北村謙介(3年、東筑)の内野ゴロの間に1点を挙げたのは気持ちの上で違った。堀井監督も「敗戦を引きずらずによく立て直してくれた」と言うように、翌日の二回戦に快勝し、その後の明大戦、東大戦で連勝を重ねていく。

優勝を大きく手繰り寄せたのは立大戦。勝ち点5の慶大に対し、立大は勝ち点5.5。0.5ポイントを追う局面で、1回戦は3番に上がった福井が序盤に点差を6点に広げる3点本塁打で勝利を導く。2回戦は正木が1-1で迎えた8回、それまで無失点だった立大の中継ぎ投手から決勝となる勝ち越しの3点本塁打を放った。福井が倒れて二死後、「自分の打席の中で自分のスイングをしっかりしようと思った」と甘く入ってきた速球を逃さずとらえた。まさに圧巻の一撃だった。正木はいずれもリーグ最多の4本塁打と12打点で、4番らしい活躍が目立った。

連勝を支えた守りでは、粘り強い投球を見せた先発投手陣の活躍が大きかった。森田は6試合で与四死球4と抜群の制球力で試合をつくり、東大1回戦では自己最多の奪三振12で一昨年の秋以来2度目の完封勝利を挙げた。2回戦を任された増居翔太(3年、彦根東)は5試合で4勝を挙げ、30 回で奪三振30と好投。とくに立大2回戦では4回以降、安打を許さず、7回を投げ切って逆転に繋げた。橋本は抑えとして8試合に登板し、得意の変化球を生かして毎試合のように締めくくった。投手陣の力を引き出した福井のリードも光った。

さらに忘れてならないのが、中堅手、渡部遼人(4年、桐光学園)の攻守にわたる活躍だ。広い守備範囲でヒット性の打球を飛び込んで捕球するなど再三、ピンチを救った。打っては長打力も見せ、明大1回戦でリーグ戦初本塁打となる追撃のソロ本塁打を放ち、その後の逆転に繋げる。立大1回戦でもソロ本塁打を放った。

打線では、正木の後を打つ下山も好機に適時打を放ち、チームトップの打率3割5分でリーグ6位に入った。途中で二塁手に回った廣瀬は14安打のうち6安打が二塁打と長打力を発揮。立大戦は2試合で5安打と活躍し、2回戦で右翼席に放った同点本塁打は大きかった。

今季のチームは昨秋の慶早戦での悔しさを乗り越えることから始まった。「リーグ優勝」「日本一」「早稲田に勝つ」を目標に掲げ、主将の福井を中心に、チームのスローガンにある「繋勝」の通り、選手がそれぞれに役割を果たし、繋いでいったことが大きな力となった。早大に勝つという目標は達成しきれなかったが、次は、6月7日に開幕した全日本大学野球選手権に臨み、1987年(昭和62年)以来の「日本一」を目指す。

慶早1回戦に勝利して喜ぶナインの写真
慶早1回戦に勝利して喜ぶナイン

慶早1回戦で、気持ちを落ち着ける生井惇己投手の写真
慶早1回戦で、気持ちを落ち着ける生井惇己投手

慶早1回戦で同点本塁打を放った正木智也選手を迎える慶大ベンチの写真
慶早1回戦で同点本塁打を放った正木智也選手を迎える慶大ベンチ

慶早1回戦に勝利して握手を交わす堀井哲也監督(右手前)と勝利投手の森田晃介投手の写真
慶早1回戦に勝利して握手を交わす堀井哲也監督(右手前)と勝利投手の森田晃介投手

表層式を終えて優勝を喜ぶ福井主将(中央)と正木副主将(左)と上田副主将の写真
表層式を終えて優勝を喜ぶ福井主将(中央)と正木副主将(左)と上田副主将

応援指導部と喜ぶメンバーたち
応援指導部と喜ぶメンバーたち

天皇杯を手に喜ぶ部員たち
天皇杯を手に喜ぶ部員たち

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